コンセプト『創作絵本の分類と狙いについて』

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 これは私たちの絵本を出版・公開した後に分かったことですが、文章が長過ぎるのではとのご意見をいただきました。

そこで文章を短く簡潔にすることについて、再検討することにしました。同時にショップには文章の無い絵本もあれば、結構文章の多い絵本もありますので、そもそも絵本の分類とは何かについても調べてみました。

最初に目に付いたのは、「日本絵本分類法」という文科省の通達かと思うような分類法がありましたが、個人が分類をされているようで、他にもいくつか分類法が公開されていることが分かりました。

またそれらの分類はばらばらで、絵本の内容で分けた「ファンタジー・ナンセンス・パロディ・文字無し・言葉・認識・生活・科学・・・」といったものもありますが、ほとんどは「赤ちゃん・物語・知識・仕掛け・・・」のような分類に集約されることが分かりました。

ただ既存の分類法に当てはめても、良く説明できないので、文章の長さを切り口にして、私なりに分類してみることにしました。

それを下記に示しますが、便宜上「絵本」だけではなく「絵本・児童書」という括りで、4分類になっています。

①文字の無い直感的絵本: 「いないいないば~」「だるまさん転んだ~」などの絵本

②文字の有る直感的絵本: 「腹ペコ青虫」に代表されるようなとても短い文章の有る絵本

③文章の多い物語の絵本: 「天球おたすけ団」など物語のため文章や説明が長目の絵本

④文章の多い児童書  : 「ずっこけ3人組」など文章がほとんどで、絵は挿絵程度の本

この分類に当てはめてみますと、私たちが出版した「天球おたすけ団」は、③のカテゴリーにはいります。

そして実際の本屋さんに行っても、展示が最も多い絵本は②のカテゴリーで、人気のある主流のカテゴリーのようです。

そのため、③のカテゴリーは文字が多いと感じられたものと思われます。

だからと言って、長ければ良いというものではなく、今後も私たちは、短く簡潔な文章にすることを肝に銘じて創作を進めて参ります。

また、④のカテゴリーにして、児童書にした方が良いのではないかとの意見もありましたが、そうしなかった理由があります。

それは、絵本だと文字を気にしなければ①のカテゴリーで、指差しや読み聞かせを②のカテゴリーで、自分で読めるようになったら③のカテゴリーでと、子供たちがずっと長く楽しめるように絵本の方を選びました。

そして、今後も③のカテゴリーを守りながら狙いである面白い物語の中に、社会性や道徳感を含めた愛や優しさ・思いやり、勇気や冒険心などを散りばめていきます。

物語中のキャラクターの成長が、子どもたちの成長につながることを願っています。

2022年7月18日

ぞうさんプロジェクト 代表 楠田正博