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私は、絵本の原作を考える時に、物語を貫く根本思想の様なものが必要だと考えています。
そこで約2,500年以上前に中国で活躍した哲学者、「老子」の思想から根本思想を選びました。老子」の数多くの名言から、最初に私が選んだのは「足るを知る」という思想です。
子どもたちに是非とも知ってもらいたいというか、この考え方を感じてもらいたかったからです。
「足るを知る」とは、簡単に言えば「必要な物や必要な量だけで満足する」ということだと思います。「足るを知らない」様子で直ぐに思いつくのは、おもちゃや、おやつの取り合いとか、全て自分の物にしないと気が済まない様子でしょうか。
これはある意味微笑ましい子どもたちの成長の過程だと思います。
ただこの独占欲の様な物が消えるわけではないので、経験と共に芽生える「思いやり」とのバランスで成長するのです。これが崩れたまま成長すると大きな事件を起こしたり、独裁者になって戦争を起こしたりすることもあるのではないでしょうか。
子どのも頃からこの「足るを知る」に触れることで、子どもたちが楽しく有意義な人生を生きる基礎になると信じています。
この考え方は、欲に任せて動植物を殺したらり、環境を壊したりして、野生生物の絶滅に追い込んだりすることにも通じます。
と言うことは、最近話題になっているSDG’sの考え方とよく似ていることに気付きませんか?
そうです、今の共産主義独裁でない2,500年前の中国では、すでに「老子」がSDG’sの考え方に近い思想を世に出していたのです。
子どもたちを型にはめるつもりはありませんが、私の絵本を通じて「老子」に触れてもらえれば嬉しく思います。
ぞうさんプロジェクト 代表 楠田正博